からだの歪みを整えるとなぜラクになるのか

からだの歪みを整えるとさまざまな痛み、不快感がとれるだけでなく、よく眠れるようになったり、食事がおいしくなったりお通じがよくなったりという効果があります。 その理由は、わたしたちの運動機能が生体の神経調節機構と密接に結びついているからです。

歩行動作と骨盤の回転

わたしたちの身体は、多くの関節によってつながり合っています。さまざまな身体動作の安定性、スピード、効率は関節運動をいかにうまく制御するかにかかっています。背骨の関節機能は、このような運動機能ばかりでなく、脊髄神経を保護し体内のさまざまな生理活動のバランスを保つ上でも重要な役割を担っています。 そこにはいくつかの重要な働きが交錯しています。ひとつには身体運動の機能で、そこにはさらに2つのルール-全身の姿勢制御に関わるグローバルルールと、関節のずれを防ぐことを目的とするローカルルールの二つの仕組みが関係しています。 もうひとつ重要な機能は、生体の生理活動を整える機能で、身体の恒常性-ホメオスタシィに関係します。身体の恒常性は、そもそもわたしたちの身体が細胞の集まりによって構成されているということに大きく関わります。 わたしたちの生理活動は60兆個の細胞によって生み出されています。個々の細胞の働きは、基本的に共通です。炭水化物を酸素の力で分解して活動のエネルギーを作ること、アミノ酸を合成してさまざまな生理活性物質を作り出すこと、その過程で生ずる毒素であるアンモニアや二酸化炭素などの不要な物質を排泄することです。 細胞画像 炭水化物には、植物の光合成によって太陽のエネルギーが蓄えられています。これを分解するための酸素は、強い酸化力をもっています。使い方を誤ると生体にとって毒となる危険性も持っていますので、うまく制御しなければなりません。 酸素を制御するためには、さまざまな酵素を使います。その材料はアミノ酸と少量のミネラル〈この場合は鉄原子)です。酵素の設計図はDNAの形で、細胞の核に保存されています。そのほかにも、炭水化物を取り込むための酵素、アミノ酸の合成の過程で生ずるアンモニアを制御する酵素など、DNAに保存された遺伝情報を駆るようしてさまざまな酵素を作りながら細胞は生きています。 このような細胞の活動を支えるために、わたしたちの身体は分業体制を作っています。酸素を取り込むための肺、炭水化物・たんぱく質〈アミノ酸の元になる)・脂質〈ビタミンなど)・ミネラルを取り込むための口、消化管、たんぱく質をアミノ酸の形に整形し、アンモニアを尿酸にかえ、過剰な糖分を蓄える肝臓、尿酸を排泄し、体内のミネラルの濃度を調節する腎臓、血液を循環させてこれらの働きを結びつける心臓と血管などです。 当然、それぞれの働きは同調し、調整されなければなりません。そのために働いているのが自律神経系であり、その中枢である能です。 生命活動の大きな特徴は、睡眠と覚醒のサイクルをもっていること、自己修復能力を持っていることです。さまざまな器官の能力は、上皮性細胞と呼ばれる細胞シートによってもたらされますが、この領域は活発に細胞分裂する領域です。 生き物の細胞分裂は、基本的に太陽の紫外線を避けるために夜おこなわれます。そのために一定量の睡眠ととくに細胞分裂を促すホルモンの活動サイクルが重要な役割をはたしています。このような大きなルールのせめぎあいによって、人間の身体は微妙な歪みを表現するようになります。 まず運動機能におけるグローバルルールとローカルルールについて見てみましょう。左足立脚相と右足立脚相のときの微妙な姿勢の違いは、姿勢制御のグローバルルールとローカルルールのせめぎあいによって起こります。 【姿勢観察ファイル】背骨の硬化04b 静止した姿勢(立ったとき、椅子に座ったとき、あぐらをかいたときなど)では、地面に接した基底支持面の広さに差ができます。安定するためにはできるだけその中心に身体重心を保持することが必要です。

支持面と重心位置と安定性02

立ったとき、椅子に座ったとき、あぐらをかいたときそれぞれで身体の形が変わると身体重心は変化します。立ったときには、おおむねおへその下辺りになります。 姿勢の変化と基底支持面の関係姿勢が変わると基底氏地面も重心位置も変わります。

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